現在、日本の中山間地域・地方都市においては、シカやイノシシといった野生動物が市街地に進出することで、人と動物が接触する交通事故や人身事故が目立つようになっています。その一方で都市奈良においては、多くの問題を抱えながらも人びとの尽力によりシカとの共生を果たしてきました。奈良において現在まで続く共生への努力、そして日々シカと向かい合うことで生じる苦労と葛藤は、現代社会の都市における人と野生動物との共生を問ううえで、多くの学ぶべき点があるのではないか。こうした現状理解を背景に、一般財団法人奈良の鹿愛護会・奈良のシカ共生愛あいプロジェクトのご協力、および関連団体からの後援による産学・地域連携の体制にもとづき、人とシカとの共生を見直す環境学習セミナーを開催いたします。開催にあたっては、多くの方々とともに人とシカとの共生について学び考え発信したいという思いから、天然記念物「奈良のシカ」の愛護月間に合わせて行います。実行委員会のメンバー一同、皆さまの参加をお待ちしています。

 

平成２６年８月吉日

「奈良のシカ」環境学習セミナー実行委員長　東城義則